授業概要
わが国の都市は,その急激な成長過程に特徴を見出すことができる。これはわが国の都市が歴史的に見て新しいというこ
とを意味するものではない。藩政時代の城下町を基盤に形成されてきた市街地の多くは,第二次大戦の空爆によって焼失し
た。そのため,現在見られる市街地のほとんどは,戦後の復興事業を起点とし,高度経済成長期の設備投資によって形成さ
れた。
わずか半世紀あまりの間に急速に進行した都市成長は,他都市との機能的な結合関係にも多大な影響を与えた。むしろ,
都市間の機能的結合関係の形成およびその再編過程のなかに個々の都市の成長が組み込まれてきたといってよい。
そこで,本講義では,まず,大都市圏の空間的構造とその段階的発達に関するモデルを学習し,わが国における都市成長
の特徴を整理する。次に,クリスタラーの中心地理論に代表される都市システム論を学習し,わが国の都市システムとその
再編過程を紹介する。
授業計画
(1)都市の定義
(2)都市の空間的構造変容モデル
(3)東京大都市圏の空間的構造変容過程とその特徴
(4)都市の機能的結合関係
(5)わが国における都市システムの特徴
(6)産業構造の転換期における都市システムの再編
成績評価の方法
学期末に論述試験を行う。
その他
担当教官の専門分野
環境地理学(人文地理学)
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