授業概要
目標はレポートのイロハを協同で学ぶことである。つまり、ある特定のテ
ーマについて資料を収集・分析し、人前で筋道たてて発表する技術、および、
他人の発表を基にして議論する技術の二つを学ぶ。そのために、テーマの見つ
け方から本や論文の探し方、レポートの書き方・発表まで基礎を学び、かつ実
習する。
授業の性質上、参加者は20人程度に制限する。具体的には3人から5人
程度のグループごとにレポートを作成・発表をおこなうことを主眼とする。そ
れぞれのテーマおよびグループ分けは冒頭に参加者の希望をとって決定するの
で、履修前に自分なりの問題関心を設定しておくことが望ましい。そのテーマ
をどう細分化し、どんな角度で切るかについては担当グループに任せる。(例
えば昨年度は、「海外旅行」→「海外修学旅行の良否」、「環境問題」→「原
油流出事故」、「オゾン層問題」など。)
グループ発表後、グループ発表の深化・延長として個々人に期末レポート
を提出してもらう。
授業計画
前半をグループテーマ決定とグループメンバー決定、資料の収集方法とレ
ポートの基本的方法の講義・実習にあて、その後、グループ発表に入る。
グループ発表後(夏休み直前)に個々人の期末レポートのテーマと概要の
発表会をおこなう。夏休み後の9月に期末レポートを提出し、更に口頭発表会
をおこなう。
成績評価の方法
成績評価はグループ発表と討論参加の内容、および期末レポートを総合し
ておこなう。
テキスト
斉山弥生&沖田弓子『研究発表の方法:留学生のためのレポート作成・
口頭発表の準備の手引き』(発行:産能短期大学国際交流センター、発売:凡
人社、1996年、2300円、ISBN4-89358-348-4)。
木下是雄『レポートの組み立て方』(ちくま学芸文庫、1994年、780円、
ISBN4-480-08121-6)。
前者は「留学生」用と銘打ってはいるが、後者のいわば実践編にあたり、
レポートの実例が掲載されていることや、段階をおって作業を進めていくとこ
ろが詳しく説明されているために、テキストに採用した。
参考書
梅棹忠夫『知的生産の技術』(岩波新書、1969年、620円、ISBN4-00-
415093-0)。
野口悠紀雄『「超」整理法』(中公新書、1993年、720円、ISBN4-02-
101159-7)。
これら2書も必携書と考えてほしい。
その他
履修にあたっての留意点
無断欠席は厳禁。つまり、やむなく欠席する際には事前にしかるべき理由
を教官に説明することを必要とする(アルバイト、歯医者や自動車学校の予約
などは欠席理由としては論外である)。事後説明は緊急事態(急病、事故など)
にのみ限られる。特に本演習はグループ活動なので、この点は特に注意してほ
しい。
情報収集の基本的手段として新聞記事収集を義務づけるので、日刊紙購読
が望ましい。また山形大学や県立、市立の図書館をフルに活用するので、履修
前には(最低限)山形大学図書館から「利用証」を取得しておくことが望まし
い。また教養棟の「マルチメディア室」でのインターネット(ホームページ)
利用も推奨する。
学生へのメッセージ等
物いりかつハードな演習となるので覚悟されたい。しかし学部に上がって
から(大学を出てからも)文系・理系を問わず役立つ技術が身に付くことは保
証する。
担当教官の専門分野
身近な国際政治としての外国系住民問題。古くは日本占領期、新しくは国
際結婚による移民。
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