熱力学第一法則・第二法則，エネルギーの形態と変換，エネルギー有効利用とエクセルギー，サイクルと熱効率について学び，熱や仕事，状態の変化を定量化することができること。また，賢いエネルギーの選択ができるための，エネルギー保存則，エントロピー増大の法則の理解を中心に，熱が係わる様々な現象を理解して熱の有効利用ができること。

目標1･･･閉じた系と開いた系，理想気体の状態変化，熱力学第一法則の理解により，熱や仕事，状態量の変化などを定量化することができること。
目標2･･･カルノーサイクル，エントロピー，熱力学第二法則の理解により，各種熱利用技術や省エネルギー技術について有効性評価ができるようになること。課題演習を通して，熱や仕事，各種状態量などの数値や単位が使いこなせるようになること。

状態量と状態変化，状態方程式，エネルギー保存則，熱力学第二法則，エネルギーの形態と変換，分子気体力学

学科の学習･教育目標の（G） 「機械工学の基礎力」（1.0）を養成する科目である。機械工学基礎IVから引き続く授業であり，専門科目の工業熱力学への橋渡しとして学ぶ。

90分×15回の講義と演習，および章末問題などの課題レポートを通して，熱力学の考え方を習得できるように授業を行う。

第1-2回目…状態変化と熱力学第一法則（予習）機械工学基礎Ⅳのノートを通読しておく。（復習）テキスト3章の練習問題3.1～3.4の解答を試みよ。演習問題集1を配布し解答レポートを課す。
第3-4回目カルノーサイクルと熱力学第二法則（予習）テキスト4章pp.43～56を通読しておく。（復習）例題4.1と4.2の解答を試みてノートに書き留める。演習問題集2を配布し解答レポートを課す。
第5-6回目…エントロピーとエントロピー生成（予習）テキストpp.56～67を通読しておく。（復習）テキスト4章の練習問題4.1～4.4の解答を試みよ。演習問題集3を配布し解答レポートを課す。
第7回目…中間試験と解説
第8-9回目…エントロピーの利用（予習）テキスト5章pp.69～86を通読しておく。
第10-12回目…エネルギー有効利用とエクセルギー（復習）例題5.1～5.3の解答を試みてノートに書き留める。
第13-14回目…自由エネルギー（復習）テキスト5章の練習問題5.1～5.4の解答を試みよ。演習問題集4を配布し解答レポートを課す。
第15回目…期末試験とまとめ

例題演習では解き方を覚えるのではなく，考え方が身に着くように理解することが重要。そのため板書だけでなく，口頭での説明も積極的にノートを取ること。毎回，テキストと電卓は必ず持参すること。

シラバスに予習の指示があるから，テキストの該当する単元をよく読んで講義に臨むこと。テキストの例題演習を自主的に試みて，授業のノートに書き留めることで力がつく。また，不明な点は友人と議論したり，授業の後に質問して必ず解決しておく。

7回の中間試験（30点），レポート課題への取り組み状況（30点），および期末試験（40点）を合計して評価し，60点以上を合格とする。評価内容は，目標1が40％，目標2が60％である。

レポート課題は授業内容に関する演習問題集（あるいは章末の練習問題）であり，講義の理解度を見るため取り組み状況を重視する。試験では，講義やレポート課題の範囲から出題するが，筆記用具と電卓以外の持ち込みは禁ずる。なぜなら，ごく基礎的な内容の（公式等の暗記ではなく）理解度を測るもので，テキストなどを見ないで解答できなければならない。答えは考え出すものであって，テキストなどから探すものではない。

テキスト：日本機械学会編，JSMEテキストシリーズ「熱力学」，丸善，1,980円（2007）
参考書：斉藤武ほか，工業熱力学通論・第2版，日刊工業新聞，3,000円（1999）
参考書：中島 健，やさしく学べる工業熱力学，森北出版，2,800円（2004）
参考書：君島ほか4名，熱力学（事例でわかる考え方と使い方），実教出版，2,300円（2011）

講義と演習をノート（A4を使おう）に思う存分記述し，レポートはそれを清書して提出する習慣を身につけよう。公式を丸暗記するのではなく，本質の理解に努めよう。これは機械工学基礎IVを基礎とし，工業熱力学，伝熱工学，エネルギー変換工学へつなぐ科目である。

月曜日16:00～17:00 6-601号室（いつでもOK）