野外調査法
 A Guide to Field Survey
 担当教員:加々島 慎一(KAGASHIMA Shin-ichi),丸山 俊明(MARUYAMA Toshiaki)
 担当教員の所属:理学部地球環境学科
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義・実習
 開講対象:地球環境学科  科目区分:必修科目 
【授業概要】
・テーマ
地球環境学の野外における調査研究を行う上で必要な,安全教育と各種地表調査の基本事項について学び,野外での露頭観察および古生物の分類と展示について実習を行う.
・到達目標
野外調査の基本技術を身につける.具体的には,(1)クリノメーターを使えるようになる(走向・傾斜の測定,ルートマップ作成),(2)地質図の読図能力をつける,(3)露頭の記載と柱状図を作成できるようになる,(4)古生物の分類について理解する,である.
・キーワード
クリノメーター,地形図,地質図,ルートマップ,露頭観察,柱状図,段丘,標本,展示,分類

【科目の位置付け】
「野外実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」へと続く,野外調査の基礎的な訓練を行う.学習・教育の到達目標「E.地球環境学の広い知識と考え方を総合して,社会の要求を理解し解決策を立案する能力をつける」と「I.多様な野外調査方法の修得と調査結果の総合的な解析ができる能力を身につける」に関与す
る.

【授業計画】
・授業の方法
講義と実習を行う.野外での実習はこの授業時間内に行うものと,土曜日に一日掛けて行うものとがある.授業時間内に行う実習は天候によって
は,計画の順序が変更になることがある.実習の成果品をレポートとして整え提出する.
・日程
1.ガイダンス,安全教育           9.地質図について
2.クリノメーターの使用法          10.古生物の分類と展示,段丘(予習)
3.歩測・ルートマップ            11.古生物の分類と展示,段丘(予習)
4.露頭の記載と節理の測定          12-13.仙台市青葉山(段丘と標本展示)
5.地質構造解析(ステレオネット)          *12月6日(土)
6-7.朝日町能中(露頭観察・柱状図)     14.地質図学
  *11月8日(土)             15.試験と解説
8.記載清書・まとめ方           
  
*土曜実習日は予定であり,確定し次第別途連絡する.
授業時間外学習として,実習のまとめ,作図やデータ解析等の課題を出す.

【学習の方法】
・受講のあり方
実習参加型の授業につき,学習時間確保の観点から欠席は原則認められない.
野外での実習の際は,野外調査にふさわしい服装,靴などを用意する.指示に従って以下のものを持参すること.
◇方眼紙 ◇スケッチ板 ◇ハンマー ◇クリノメーター ◇ルーペ ◇調査カバン ◇タガネ ◇野帳 ◇昼食 ◇傘や合羽 ◇筆記用具 ◇スケッチ板 ◇粒度板 ◇サンプル袋 ◇地形図 ◇メジャー ◇軍手 ◇油性ペン
・授業時間外学習へのアドバイス
テキストや参考書を読んでおくこと.

【成績の評価】
・基準
クリノメーターを正しく使えること,図学を用いて基本的な地層境界線を描くことができること,露頭観察をもとに柱状図を作成できること,古生物の分類について理解していることを合格の基準とする.
・方法
期末試験30%,レポート70%で評価する.目標の割合は(1)20%,(2)20%,(3)30%,(4)30%である.

【テキスト・参考書】
テキスト:天野一男・秋山雅彦 共著「フィールドジオロジー入門」共立出版,2004
参考書:坂 幸恭 著「地質調査と地質図」,朝倉書店,1993
 狩野謙一 著「野外地質調査の基礎」,古今書院,1998
 三梨昴・山内靖喜 編著「地学ハンドブックシリーズ・2,地質調査法」地学団体研究会,1987

【その他】
・学生へのメッセージ
最低限必要な野外調査道具は全員購入する必要がある.おおむね 2万円程度.また別途交通費の負担が必要である.事前に集めるので,連絡に注意しておく.実習に際し,靴や服装は動きやすく安全性の高いものを身につけること.原則として雨天決行,集合・解散はすべて理学部正面玄関前である.集合は8時20分までとし,8時30分に出発するので,集合時間に遅れないようにすること. 他学科の授業と重なるときは,受講している授業の担当教員に,各自事前に申し入れること.病気等の理由で欠席する際は必ず事前に連絡すること.
・オフィス・アワー
火曜日10時半〜12時(加々島)

30500660-2014-03-35030