マルコ・ポーロの『東方見聞録』を読む(教養セミナー)
Reading The Travels of Marco Polo(Seminar)

担当教官: 新宮 学(ARAMIYA Manabu)

開講学年 全学年
開講学期 前期
単位数 2単位
開講形態 演習
教官の所属:  人文学部人間文化学科
授業概要
 マルコ・ポーロの『東方見聞録』は、近代以前のユーラシア世界を考える上でとても重要な文献である。かの新大陸を「発見」したコロンブスも、航海の最中『東方見聞録』を日々ひもといたと言われ、彼自身による366箇所もの書き込みのあるテキストが、いまもセヴィリアの図書館に現存している。さしずめ現代で言えば、海外を旅行する若者のバイブル『地球の歩き方』といったところであった。
 授業では、これをテキストに用いてマルコ・ポーロとともにユーラシアを旅することにしたい。史料を読む(=文献によって「異文化」空間を旅する)面白さを味わうとともに、報告の仕方、事典・辞書類の利用、文献入手方法をも学ぶ。

授業計画
・開講時に、受講を希望する理由をまとめさせる。
・最初の2回は、ガイダンスと文献解題をおこなう。その後、分担を決めてテキストを読みすすめていく。
・担当者は、テキストの要旨などを紹介するレジュメを作成して報告する。これに基づき、全員で検討を加えていく。
・6月末にレポートの課題を提示する。最後の授業で、レポートに対する講評を行う。

成績評価の方法
 成績評価は、出席30 報告40 レポート30 計 100とする。

テキスト
 マルコ・ポーロ、愛宕松男訳注『東方見聞録』1・2、平凡社東洋文庫版、または平凡社ライブラリー版を用いる。

参考書
・『アジア歴史事典』全10巻(平凡社)
・杉山正明著『クビライの挑戦−モンゴル海上帝国への道』(朝日選書・1995)
・陳高華著、佐竹靖彦訳『元の大都−マルコ・ポーロ時代の北京−』(中公新書・1984)
・ジェルネ著、栗本一男訳『中国近世の百万都市−モンゴル襲来前夜の杭州−』(平凡社・1990
・フランシス・ウッド著、粟野訳『マルコ・本当に中国に行ったのか』(草思社・1997)
 このほか、随時紹介する。

その他
・担当教官の専門分野
 東洋史学

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